脱酸素処理 VS 真空パック処理 お米の長期保存と防災

脱酸素処理 VS 真空パック処理




以前から思っていたのですが、使い捨てカイロやエージレス等を用いて酸素を取り除く脱酸素処理したお米と真空パック機で空気を脱気したお米とどちらが保存に適しているのでしょうか?

最初にお米を保存する上で特に大切なことは酸素による「酸化防止」、「害虫の抑制」、「カビ対策」夏場の「高温対策」と説明しました

「酸化防止」「害虫の抑制」「カビ対策」はお米を保存しているポリ袋内の酸素をできるだけなくすことにより完璧とは言えないですが、実現が可能となります

酸素がなければ酸化は抑えられますし、酸素がなければ害虫は生きていけません。
2週間酸素がない状態を維持すると害虫の卵さえ死滅するそうです
また、酸素が0.1%以下であればカビもほとんど生えてこないとのことです

脱酸素処理 VS 真空パック処理

それではポリ袋内の残った酸素の量を比べてみれば良いということになります
ポリ袋内の残った酸素の量を量るのにちょうどいいのかエージレスアイです



残った酸素の量によって錠剤の色が変わります

酸素の量が0.1%以下でピンク色 酸素が0.5%以上あれば紫色になります
0.1%から0.5%の間は徐々に色が変わっていきます
以下の画像は目安とお考えください





2Kgのお米を脱酸素処理したものと真空パック機で脱気したものとエージレスアイを使って酸素量を比べてみましょう

今回、北海道産ななつぼしが手に入りましたので これを使います



正確に2kgずつ北海道産ななつぼしを計ってナイロンポリTL 280mm×650mmの0.07mm厚に入れます





脱酸素処理
ナイロンポリTLにお米と使い捨てカイロ、エージレスアイを入れて出来るだけ中の空気を追い出してクリップシーラーでシールします
今回は2kgなのでナイロンポリTLの余分な部分はカットします
エージレスアイに個体差があればいけないので念のため2個入れておきます



真空パック処理
つぎにナイロンポリTLにお米と使い捨てカイロ、エージレスアイを入れてを入れて真空パック機で空気を抜き、触ってみてカチコチになったなぁと感じてから十数秒ポンプを回して空気を抜いてからシールしました(真空パック機のマニュアル操作にて)





48時間後
↓使い捨てカイロで脱酸素処理


使い捨てカイロで脱酸素処理したお米のエージレスアイはピンク色になりました
ということは酸素の量が0.1%近くまで減っているということです
右側から2個がポリ袋内のエージレスアイで左側は比較のためのエージレスアイです

一方、真空パック機で脱気したお米のエージレスアイは紫色のままです
酸素の量は0.5%以上残っているということです
上側の2個がポリ袋内のエージレスアイで下側は比較のためのエージレスアイです

↓真空パック機で脱気処理


家庭用の真空パック機ではこの辺が限界なのでしょうか?
業務用はもっとすごいのかもしれないです

約1週間後
↓使い捨てカイロで脱酸素処理


使い捨てカイロで脱酸素処理したお米のエージレスアイはピンク色のままです
下側の2個がポリ袋内のエージレスアイで上側のエージレスアイは比較のための色見本です

↓真空パック機で脱気処理


真空パック機で脱気したお米のエージレスアイは紫色のままです
右側の2個までがポリ袋内のエージレスアイで左側のエージレスアイは比較のための色見本です

以上の結果からお米を保存するポリ袋の中の酸素を取り除くのだったら使い捨てカイロやエージレス等を入れてきちんとシールすればいいということになります

ただ、これは真空パック機による脱気を否定しているわけではありません
なにも対策をしないお米の保存と真空パック機で脱気したお米では、雲泥の差があると思います
残りの酸素量が0.5%以上となっていますが、はっきりとわかっていません
残りの酸素量が1%と仮定し、1ヶ月保存したとしても私だったら おそらく味の変化に気づかないのではないかと思います


また、使い捨てカイロやエージレス等を用いた酸素除去の方法は 他にも利点があります
真空パック機で使うポリ袋はピンホールが開かないようにナイロンポリTLなど ちょっと高級なポリ袋を使う必要があると感じています
少量の食材であれば小さなポリ袋でいいのですが、お米の場合は大きなポリ袋が必要になり金額も高いです

使い捨てカイロやエージレス等を用いた酸素除去のポリ袋は安価なヘイコーポリでもOKです
理由はポリ袋内の吸引された時の圧力といいますか気圧が真空パック機で脱気するより使い捨てカイロやエージレス等で酸素だけ取り除いた方が高い?のです
使い捨てカイロやエージレス等は空気中の酸素(約21%)のみを取り除き残りの窒素(約78%)は残ったままです
なので、安価なヘイコーポリでもピンホールが開きにくいのです
ポリ袋の口がしっかり留まっていれば カチコチにならなくても酸素がなければOKです
ただし、お米も角がありますので、ポリ袋を落としたり、積み上げたりしたら穴も開くかもしれません

エージレスアイも20個あるので もう少しテストしてみたいなぁと思っていたら
ジップロックに使い捨てカイロやエージレス等を入れたテストをやってみたけどカチコチにならなかったなぁというのを思い出しました
実はカチコチにならないけど酸素はなくなっていたのかも?
ちょうど良い機会なので、もう一度ジップロックでテストしてみようと思いました

翌日にでもジップロックを買ってこようと思ってましたが、エージレスアイの説明を見ていると作業時間は開封後12時間以内と書かれていたので雨の降る中、自転車でスーパーへジップロックを買いに行ってきました。


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